2021年3月18日
先日、能楽の師に逢いにいきました。
追善能の舞台がご無事に終えられたことの感想などお伺いしていました。
わたしの感想と言いましても、
嬉しかった 泣けた 眠ってしまった とかです。。。
いつもそうなんですが、そういった感想にお喜びだったような気がしました。
とっかかりは、こんな会話なんですが、
そこから「 無形人間国宝とは、やはり、無形です 」と、話は膨らんでいきます。詳しい内容は書けませんが、昭和の最後の方には、すばらしい先生方がたくさん居られた。わたしも、全ての先生方の舞台を見ていませんが、先代の宗匠の舞台も見ていましたし、その頃のいろいろな先生方の舞台もみていましたので、その頃の印象が強く残っています。しばらくお能を見に行けない時期があって今、拝見させていただき、「 今は、こんな感じになったんだ 」くらいの感じ方ですが、師が仰るような眼目に注意して、もう一度見てみたいって思います。時の経過は、止まることなく変化する。どんどん素晴らしい方は、お亡くなりになります。わたしもいつ余命が終わるかわかりません。思い浮かぶのなら、やった方がいいな。この急激な世界の変化に合うように、日本文化も変化していきます。「 日本文化をそのまま継承するなんてないです 」師の感想で今までにない言葉を耳にしました。その時代に住んでいるのは、その時代の人で、社会環境、生活様式、生活態度、生きる姿勢、心構えで、舞台に立つ人から出るエネルギーもニュアンスも変わります。昔のあの人は素晴らしかったと言っても、今、その舞を見ると野暮ったく見えたりします。野暮ったく見えるのは、装束の付け方だったり、着物の着付け方だったり、生活が滲み出るからです。大切かなと思う事は、「 品格よく、日々を生活すること 」日々の所作を美しく生きることです。 この日々の生活は舞台に現れます。わたしのような、ザッとした人間は、なおさらです。そのことをいつも気にして、美しく生きる。歳を経ることに、素直に、生きたいと思うのです。